今回は足首からつま先までの足を作ります
実は過去に指無しバージョンの足を作ったことがあります
もう本当に足袋(たび)みたいな感じのですね
その時は特に問題は起きなかったのですが、指有りバージョンで問題発生
想像以上に難易度が跳ね上がって、調整が大変になりました

じゃっく
指周りや水かきあたりが特に
ただ、「足首と指を分けて足を作る」、という考えの方向性は良かったようです
最終的には指エッジ密集問題も解決しました
ポリゴンの流れも改善前よりもキレイになったので、忘れないように記録していきます
仕様
最初に簡単な仕様を決めておきます
足首と指を分けて作る
始めは指無しバージョンと同じように、一つのオブジェクトから足を作ろうとしました
ただ、これが指がある足だとすごく作りにくかったです
特に指

じゃっく
もう形の調整に時間かかっちゃって・・・
狙い通りの形を出すのが難しかったので、足首と指は分けて作るようにします
指と全長の寸法を決めておく
作ろうとしているのは
- 等身:六等身
- 性別:女性キャラ
- 身長:160cm くらい
のアニメキャラとしています
ある程度の寸法が必要だったので、とりあえずこんな感じにしました
| 部位名称 | 長さ (mm) |
|---|---|
| 親指 | 40 |
| 人差指 | 45 |
| 中指 | 40 |
| 薬指 | 35 |
| 小指 | 30 |
| 足幅 | 100 |
| 全長 | 240 |
自身の足を測ったり他の作者さんのモデルを確認したりして、おおよその長さを算出
この寸法を元に作っていきます
足首の口と指は八角形にする
足首と指の最少角数を決めておきます
- 足首:八角形
- 各指:八角形
四角形でも試してみましたが、後工程のことを考えると良くないなということでボツ
さすがに無理がありました
ポリゴンが少なすぎて、足の形がうまく出せません
八角形なら問題無かったので、円形部分の最少角数は八角形で進めていきます
エッジが 6 本以上密集しないようにする
一つのポイントにエッジが密集しているものを「ポール」と呼ぶそうです
中でも 6 ポールは特に理由が無い限りは避けるようにします
タブーっぽい感じなので、実際に試してみましたが
- トポロジーが汚く見える
- 意図しないシワができやすい
- ループ選択など作業性が悪くなる
- 末端部部など使える部分が限定される
などのようにデメリットがありました
作るモノによっては、あえて使う場面もあります
例えば目とか指先などの末端部分ですかね
なので、絶対ダメではないと思いますが、今回の足には必要無いはずなので極力避けるようにします
手順
仕様がある程度固まったので、今度は手順です
流れとしてはこんな感じ
始めに指用のボックスを用意して、カットとベベルを使って指の根元を作ります
その後は細分化
細分化したら面を引き出して指を作ります
指ができたら今度は別レイヤーに足首用のボックスを用意
いらない面を消したりカットを加えたりして足首も細分化して、指と足首を合体させます
最後に指の角度や全体を整えて完成、といった感じです
指を作る

まずは指を作るために単純なボックスを用意
ボックスの設定はこんな感じにしました
- 幅:100mm
- 高さ:20mm
- 奥行:20mm
奥行は結構ざっくり

指用のカットを入れますが、順番を付けています
- 親指用のカットを入れる
- 残りの指用のカットを入れる
最初に親指用のカットを入れて、残りの指用のカットを追加します
一気にカットを入れても良さそうですが、親指大きいのと残りの指はなるべく正方形に近い形にしたかったので、あえてこの手順でやっています

面に「ベベル」を実行して、ちょっとだけ引き出し
ベベルするのは、後の細分化で八角形の面を出すためです

指のサイズは同じじゃないので、指ごとに面を縮小
比率としてはこんな感じにしました
- 親指:100%
- 人差指:90%
- 中指:87.5%
- 薬指:85%
- 小指:82.5%
面を小さくしたら「細分化」を起動して、「メタフォーム」で実行
すると、画像のように八角形の面がキレイに出るので、ここから後で指を生やしていきます

じゃっく
楽にできるところは楽にしちゃおう、という考えでいます

いらないエッジを消して、水かき部分に「面取り」を実行
これで指同士の幅を作ります

じゃっく
量は適当です

ハの字型にカットを入れて、五角ポリゴンを削除
ここを消しておかないと、サブパッチ実行時にエラーが出ちゃうので注意が必要です

面を引き出して指を作ります
ショートカットキー E で引き出せます
長さは前述した寸法で、先端はちょっとだけ縮小
縮小すると先端部分が少し地面から浮いちゃうので、「接地」ツールを起動して底面に接地します
ショートカットキーは F3

じゃっく
意外と知らなかった機能の一つ

指の先端を少し整えて、カットを追加

じゃっく
このカットは爪用です

爪は面を一旦押し込んで、もう一度引き上げたり引き出したりして作ります
これは手を作ったときと同じやり方
元は某代理店に載っていたのですが、いつの間にか消えちゃっていました

じゃっく
あれ良かったのになぁ

足の指はあまり動かす予定は無いですが、形づくりに必要なのでカットを一本追加
少し絞めて指の丸みを作ります
足首を作る

別レイヤーに移ってボックスを用意します
さらに上から見て 45° 回転させた状態で配置させて、中心にカットを追加
このボックスの設定は以下としました
- 幅:60mm
- 高さ:100mm
- 奥行:60mm

Z 方向側の面を選択して引き出します
長さは後で指と結合させるので、ほどほどで
引き出したら、引き出した面と上下の面を削除しちゃいます

「細分化」を起動して「メタフォーム」で実行
すると、開いている面が八角形になります
これで今後作る体と無理なく結合できるようになりました

「整列」を使って高さをそろえて、ポイント(エッジ)を引き出し
かかとの穴を埋めていきます

あとは指と結合・・・
ですが、ここで問題発生
ポイントの数が違うので結合できません
指側は 16 ポイント、足首側は 12 ポイントなので、分割増やして繋げられるように変更していきます
まずはカットの追加と削除をして、ポリゴンの流れを変更

さらにカットを追加して、指とのポイント数と同じになるようにします
これで指と結合できます
足首と指を結合する

指と足首を表示して、指の位置を調整
足首からつま先までの全長はだいたい足首の 3 倍程度とされているので、その範囲内に収まるように配置して結合します

じゃっく
自分の足でもだいたい足首の 3 倍程度でした
ついでに土踏まず用に一本カットを追加
足全体の形を調整をする

後は足の形になるようにチビチビと調整
くるぶしは親指側の方が高いので、小指側より高く
土踏まずもアーチ状に形を変えていきます

じゃっく
かかとも少し丸く

指もまっすぐだとおかしいので、角度を変えて足らしく変更

じゃっく
自分の足を見ながら地道に調整します
完成

キリの良いところまで進んだら完成です

じゃっく
できました~
この足首のポリゴン数はこんな感じになりました
- ローポリ:422
- ハイポリ:1688
まとめ
それでは今回のまとめです
- 足は足首と指を分けて作る
- エッジが 6 本密集しないようにする
- 各指と全長の寸法はある程度決めておく
- 足首の口と指の最少角数は八角形にする
今回は足首と指を分けて足を作ってみました
手よりかは簡単に作れるだろうと思っていましたが、全然そんなことはありませんでした
普通に難しかったです

じゃっく
考えが甘いっ!
一つのオブジェクトだと指無しの足を作るのが精一杯でしたが、パーツ分けをすることでだいぶ簡単に作れるようになりました
苦労が多かったエッジ密集問題も解決できてよかったです
足は作ってもあまり目立たない部位ですが、こだわりを持って今後も取り組んでいきたいと思います
それでは、お疲れさまでした~
おまけ
過去作で起きていたエッジ密集問題

これは過去に作った足のポリゴンの流れ
特に指周り
実は何度も作り直しちゃっています
最初は A 案の方で行きました
ただ、後になって B 案に変更
さらにさらにしばらく経つと、こうじゃないんだよなぁ・・・みたいな感じで出戻りが発生してしまいました

じゃっく
どうしても密集している箇所が気に入らなくて、すごい迷走しちゃいました
そして、今回で C 案のハの字型カットに変更
密集箇所が減ったので、今度こそ良いはず
慣れたらもっと効率的にできるんだろうなぁと思っているので、今後も作りながら学んでいきます
参考書籍
使用ツール
- 3DCG
- LightWave3D
- 動画
- Bandicam
- ScreenToGif
